新御堂筋に面していた実家は、週末の夜に轟音が鳴り響いていた。バイクの集団の排気音である。テレビの音も、ヘッドホン越しのラジオの音も貫通するノイズは、子どもだった私の平穏を侵す天敵であった。
しかし、バイクの音だったからこそ目の敵のように感じていたが、これが私の好きな鉄道だったら、どう聞こえていたのだろう。(もちろんこの家の前は御堂筋線も走っていたのだが、残念ながら大した音が聞こえることはなかった)鉄道が嫌いになっていたのだろうか。
前回の記事で書いた通り、延伸工事の進む岡山駅前停留場を徘徊していた私は、岡電乗破を目指して、一日乗車券をもって車両へ。岡山駅前停留場を後にする。

先発の東山線車両に乗り込み柳川へ。停留場を楽しんだのち、後続の清輝橋線車両に乗り換え、終端の清輝橋停留場へと向かった。
清輝橋停留場は五叉路の交差点の一角にあり、交差点を1周できる五角形の歩道橋から見下ろすことができる。
大きな屋根にベンチもあり、岡電の停留場の中でも一際大きい。

歩道橋の上からホームや配線を撮影する。時刻表アプリで次の電車の時間を確認していたのだが、予期せぬタイミングで、ビルとビルの隙間から、陽気に大声を発する真っ赤な顔が、線路の上を走ってくる。

そう、チャギントン電車だ。要予約の観光列車で、清輝橋線・東山線を往復する。その間、この電車はテーマソングを大音量で外へ垂れ流している。
電車の中に大音量スピーカーを持ち込んで音楽を再生する人間はいても、電車自体が大音量で音楽を再生することがあるだろうか。なぜこれが土日に三往復しても岡山市民に許されているのか。岡山市民、寛大すぎないか?
清輝橋線を乗り終え、柳川停留場で東山線に乗り換えて、東山停留場へ向かう。西大寺町を越えて京橋を渡ると、徐々に風景が都市から住宅街へと移ろう。
中納言と門田屋敷の間では、交差点で2度カーブする。いずれも90°を超える大カーブだ。車線の少ない道路、決して大規模とは言えない交差点で、ゆっくりと力強く大きく曲がっていく光景に妙にわくわくする。

柳川より約20分で終端の東山停留場に着く。赤い屋根とガードレールが特徴的だ。終端駅だが頭端式ホームではなく、ホームの先は複数の分岐器を越えて東山車庫へと線路が続く。東山車庫は道路を挟むように左右に別れており、入出庫線はY字に分離している。

ホームは2面2線の対向式で乗降分離。では車両はどこで折り返すかというと、車庫への入出庫線の途中に停車して折り返す。乗務員が交代する際には一度無人になるのだが、ここは道路の中央。一時的とはいえ、道路上に無人の車両だけが取り残されている。放置自転車の撤去業者もびっくりの放置電車だ。
入出庫線の先では道路が斜め左に曲がっていき、真正面には東山公園の入口がある。この入口がゆるやかな石段となっており、撮影にはもってこいのスポットだった。石段の上から停留場を眺めていると、遠くから轟音が聞こえてくる。聞き覚えのある陽気な音楽。やつだ、またやつがきた。

チャギントン電車だ。清輝橋線を往復したのち、東山停留場までやってきたこの車両は、ここで乗客の家族連れと乗務員は降車して、チャギントン電車は車庫へ入っていった。降車した乗客は乗務員に連れられて車庫へと向かう。よく見ると車庫横に「おかでんチャギントンミュージアム」なる施設があり、そこに入るコースのようだった。またこの停留場は、正確には「東山・おかでんミュージアム駅停留場」というそうだ。執筆中に鉄道要覧を見返して気づき、公開済みの路線図・配線図の記事も急いで修正した。
路線図・配線図の記事はこちらから。

そんなこんなで、岡電は清輝橋線・東山線ともに乗破。午前中であっさりと終わってしまった。岡山駅へ戻り、前日の夕食をいただいたお寿司屋さんへ再訪。
この旅行も残すは午後のみ。最後のイベントは次のm.p.noteで。
今後の鉄道イベント情報(鉄道コムより)





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